説明
“Incredible Deadstock of Loro Piana”
最後のジャケットは、もはや夢見心地とも言うべき華麗さだ。
やや明るめのメランジがかったブルーネイビーに、うっすらと上品なチェック柄。Splendid(目を見張るような)という言葉がふさわしい、極上の存在感である。
遠くから見ると「打ちひしがれそう」な位にシックでラグジュアリーな光沢感だが、近くで見ると思いのほか表情豊かな生地であることがわかる。
このジャケットに関しても別に多くを語る必要はない。しかし明確な提案はある。それはドレッシーなミディアムグレーのトラウザーで着こなすための、エレガントなジャケットに仕上げることだ。
例えばシングル3つボタン段返りなら、パッチポケットにしつつもシングルステッチで洗練された雰囲気に仕立てる。そこに水牛のボタンを合わせて、美しくクラシックな佇まいにしたい。
あるいはダブルでも良いだろう。ナポリの紳士たちのようにやるなら、パッチポケットのダブルブレステット・ジャケットだ。この場合には少し堂々としたラペルにして、存在感を出す。ボタン位置を低くし、広めのVゾーンに美しいシャツが覗くように仕立てるのが正解だ。